えっ!アレルギーに肥満、 糖尿病も?!腸内細菌が生活習慣病に大きく関与

自分の腸内細菌に自身ありますか?
お腹の中の細菌が将来の生活習慣病を左右するかもしれませんよ。

生活習慣病として良く知られる、高血圧、糖尿病、高コレステロールなどの状態は、塩分の摂りすぎや、高脂肪食などの食事や運動不足、喫煙などの生活習慣に依存して進むとされています。

しかし、最近の研究で、生活習慣病や成人病など様々な病気に腸内細菌が関与しているとする成果が次々と報告され、その予防に腸内細菌のコントロールへの期待がされています。ここでは、腸内細菌のコントロールの重要性について最新の知見を簡単に紹介してみたいと思います。

腸内フローラ検査が残念すぎる!病院や通販検査キットのテストでわかる腸内細菌は限定的だった!

2016.09.28

腸内細菌と病気の関係

1)糖尿病

最近の報告で、2型糖尿病とブドウ糖や脂肪の代謝において大事な酪酸産生菌が重要な働きをしていることが報告されました。2型糖尿病患者では悪玉菌が多く、善玉菌の量が少ない傾向があるということが考えられています。

2)腸炎

最近、オランダのグループから、腸炎保有者に対して「糞便を移植」することで腸炎が治ったとする報告が行われました。通常は、抗生物質を多量に投与するため、腸内細菌のバランスが崩れ、有害菌が産生する毒素により、腸炎がさらに悪化してしまうケースがあるのです。そのようなケースでは症状が悪化してしまうため治療の方法がなく、外から糞便を移植することで腸内細菌のバランスが改善され、治療効果が表れたのです。

3)肥満

また、肥満者と痩せている人では腸内細菌のバランスが違うという報告がされています。つまり、同じカロリーを摂っても、太りやすい人と、そうでない人がいるということが示されたのです。太りやすい人では、腸内細菌が利用する栄養素が少なく、その分、体が吸収するカロリーが多いというのです。この点は、まだ未解明な点が多いのですが、過食に対しての対処法として、腸内細菌のコントロールの可能性に期待したいですね。

4)アレルギー

腸内細菌が偏ったり、悪玉菌の優性状態が続くと、炎症が大きくなる方向にバランスが崩れるため、アレルギーが発症しやすいという説があります。また、さらに特定の菌種がアレルギーの発症に関係しているとする研究報告もあります。

腸内細菌を健康な状態にするには

腸内細菌は、有害物質などを産生して生体に悪影響を及ぼす悪玉菌と、生体に良い効果をもたらす善玉菌、どちらか優勢な方に左右される日和見菌、大まかではありますがこの3つに分類されます。(実際はもっと複雑ですが・・・)

腸内細菌の生体への関係に関しては未解明の部分が多く、そのコントロールに関しても検討が始まったばかりですが、善玉菌を増やして悪玉菌を抑えることで、様々な生活習慣病や成人病が改善できることがわかってきています。

善玉菌を増やすためには、善玉菌を補給してあげる方法(プロバイオティクス)と食物繊維やオリゴ糖などで善玉菌が働きやすい環境を作って上げる方法(プレバイオティクス)の2つの対策が有効です。

善玉菌の補給方法はみなさんもよく知っての通りヨーグルトなどの発酵食品や乳酸菌サプリメントなどですね。

そして腸内の環境を整える(プレバイオティクス)の基本は1.高食物繊維2.低脂質3,低糖質です。

根菜類、野菜、豆、海藻類、果物などを積極的に摂って、食物繊維を増やすことは腸内フローラの改善にとても有効なことがわかっています。

また、悪玉菌は脂質や糖質、タンパク質が大好物です。悪玉菌を元気づかせないためにはお肉、揚げ物、スナック菓子などの食べ過ぎには注意しないといけませんね!

まとめ

いかがでしたか?

ここでご紹介したアレルギーや肥満・成人病といったものだけでなく、ここでは紹介しきれないほど腸内フローラが私達の健康に影響を与えている事がたくさんあります。

逆に考えれば善玉菌いっぱいの腸内にすることができればアレルギーもなくなり、太りにくい体質にもなれる可能性が秘められています。

最新の研究で明らかになってきた腸内フローラの重要性、本気で改善策をやるかやらないかで今後の健康に大きく影響がありそうですね。